早めの対処がポイント!「アニサキス」に「ヒスタミン」魚の食あたりの症状から対処法まで

“鯖にあたる”というのはよく耳にするフレーズですよね。
昔から鯖は「足がはやい」と言われているとおり、傷みやすい魚の一つですが、鯖に限ったことではなく、魚で食あたりを起こすことは珍しいことではありません。魚で食あたりを起こす要因は主に2つでアニサキス(寄生虫)ヒスタミンがあります。この記事ではアニサキスと、ヒスタミンで引き起こされる食あたりの原因、予防法、対処法を紹介したいと思います。

アニサキス症

魚市場のイメージ

アニサキス症の原因

アニサキスは2㎝ほどの白く細長い寄生虫で魚介類の内臓に寄生しています。魚が水揚げされてから時間が経過するとアニサキスは内臓から魚の身の部分に移動します。

このアニサキスを生きたまま取り込んでしまうと食あたりであるアニサキス症を引き起こします。アニサキスは鯖をはじめとした青魚に多いと思われがちですが、東京都が行っているアニサキス寄生実態調査(平成24年4月〜平成29年3月)では113魚種のうち、47魚種からアニサキスを検出したという報告があります。アニサキスはカジキ、カツオ、サワラ、キンメ、サケ、スズキ、ホッケなど多種の魚から検出されています。多くは内臓から検出されていますが、ホッケはハラス部分からも検出されています。

ほっけは焼き魚で食べるから安心!と思いきや、ホッケの産地として有名な北海道では新鮮なホッケをお刺身を食べることもあるようです。調理される方も細心の注意を払っていると思いますが、万一のことも考えて、信頼できるお店以外で食べるのはちょっと怖いですね。
参考:魚種別アニサキス寄生状況調査     食品衛生の窓

ほっけ刺しからアニサキス

鮭切り身からアニサキス


アニサキス症の予防法

アニサキスはお酢、塩漬け、醤油、わさびでも死滅しません。死滅させるには加熱調理や物理的に潰したり死滅するまで冷凍するという方法があります。気分がいいものではありませんが、死んだアニサキスを食べても食中毒は起こしません。生の内臓は危険きわまりないので絶対に食べてはいけませんね。

3つのチェックポイント
  1. 目視:胃カメラによる内視鏡が一般的
  2. 加熱調理:アニサキスは2㎝ほどの長さがあるので、生魚を食べる時は目視で確認するのが安心
  3. −20℃以下で24時間以上冷凍:家庭用の冷蔵庫は、48時間以上冷凍(-18℃の設定)
ルイベ

アイヌ民族が発祥の「ルイベ」という料理はご存知でしょうか?
「ルイベ」は、鮭やマスなどの魚の切り身を冷凍し、スライスして半分冷凍してシャリシャリとした状態で食べるのです。冷凍することでアニサキスのほか、サナダムシなどの寄生虫を死滅させることができるので、生魚の調理法としては加熱の次に理にかなった調理法といえます。冷凍すると寄生虫を死滅させることだけではなく、鮭独特の風味は増して、脂の臭みは取れるのだとか。食べ物をいかに安全に美味しく食べるかという先人の知恵というものには本当に頭が下がります。

ちなみにお刺身用のサーモンはアニサキスの心配がないようなのでわざわざ冷凍させなくてもOKですが、いくら新鮮なものでも加熱用の鮭は絶対に生で食べてはいけません。

アニサキス症の症状

アニサキス体内で4〜5日位、生存します。アニサキスが生存している間は、継続して痛みが出ます。アニサキス症の9割以上は胃で発症しますが、稀に小腸にたどりついてしまう場合もあるようで、腸に辿り着いた場合は腸閉塞を引き起こす危険性があります。

胃で発症
  • 潜伏期間:3時間〜8時間位
  • 症状の特徴::激しい腹部の痛み(みぞおち部分)、吐き気、嘔吐、発熱、じんましん
  • 症状の間隔:激しく強い痛みで、周期的に強くなったり、弱くなったりの波がある
腸で発症
  • 症状があらわれるまでの期間:十数時間位〜数日後
  • 症状の特徴::腸閉塞、激しい腹痛、下痢、吐き気、嘔吐(おうと)

アニサキス症の対処法

アニサキスが体内で死滅するまでの4〜5日間は断続的な激しい痛みを伴い、小腸に入ってしまったら腸閉塞という危険な病気に発展しまう可能性があります。生魚を食べて何か少しでも体調に異変を感じたらすぐに病院へ行きましょう。

アニサキスは内視鏡を使って除去するのでその費用も数万円かかるようです。また、条件が合致すれば保険から手術費用が支給されるので、もし加入している生命保険があれば、保険会社に問い合わせてみましょう。

病院での診療科目と治療法
  • 診療科目……内科や消化器内科
  • 治療法………胃カメラによる内視鏡が一般的


ヒスタミン中毒

ヒスタミン中毒

鯖寿司

ヒスタミン中毒はヒスチジンというアミノ酸から生成されたヒスタミンという物質が体内に過剰に取り込まれるとアレルギー反応(アナフィラキシー)のような症状を引き起こします。主に原因となる魚はカジキ、マグロ、ブリ、サバ、かつお、いわし、さんまなどの赤身の魚です。

20℃~25℃以上の温度になると、ヒスタミン生成菌の増殖が促進されて、魚肉に含まれるヒスタミン量も増えてしまうのです。人により耐性が大きく異なるので、何mgのヒスタミンを摂取したらヒスタミン中毒になる」という明確な基準はありません。摂取直後から1時間以内に症状が出るのが一般的と言われていますが3〜4時間後に遅れて症状が現れる場合もあります。

一般的には、食品 100g当たりのヒスタミン量が 100mg 以上の場合に発症するとされていますが、実際には摂取量が問題であり、食中毒事例から発症者のヒスタミン摂取量を計算した例では、大人一人当たり 22~320mg と報告されています。

ヒスタミン – 食品安全委員会

ヒスタミン中毒の予防法

ヒスタミンは一度発生すると、お酢や高温調理でも減ることはない。

20℃~25℃以上の温度はリスクが高い

ヒスタミンの含有量は見た目や匂いで判断ができないのが厄介なところです。そして、20℃~25℃以上はヒスタミン生成菌が繁殖しやすいというだけで、0℃~10℃の低温で保存していてもヒスタミンが生成される可能性があるので、購入した魚の保存については注意が必要です。

ヒスタミンを多く含む食品を摂取した場合、口に入れてから舌にピリピリとした痺れのような感覚があるようなので、もし香辛料を使用していないのにも関わらず、舌にそういった感覚が出たら食べるのを控えた方が良いですね。私は4回ほどヒスタミン中毒になりましたが、舌に痺れの感覚は一切無かったのです。舌で感じるほどのヒスタミンの量…飲み込んだ時の事を考えると震えます。。。

2つのチェックポイント
  • 生の赤身魚:常温に放置することはもちろんのこと、長期間の冷蔵保存もヒスタミンが増殖する可能性があるので注意が必要
  • 冷凍した魚:冷凍した赤身魚は冷蔵庫などで短時間、低温で解凍する

ヒスタミン中毒の症状と対処法

皮膚の炎症や頭痛、嘔吐など、人によってだいぶ症状が異なります。また摂取したヒスタミンの濃度や量によっても症状の重さが変わってきます。ヒスタミン中毒でよく見られるのは以下の症状が多いようです。余談ですが私がヒスタミン中毒になった時は炎症や蕁麻疹などは一切なく、強烈な吐き気と呼吸困難、下痢でした。

人によっても症状の出方にかなり相違がありそうですね。また、少量しか摂取していない時は下痢の症状だけだったので、ヒスタミンの量も症状の重さに多いに関係していることがよく分かりました。

一般的な症状
  • 潜伏期間:1時間〜4時間位
  • 症状の特徴:顔面(特に口周り)耳たぶの炎症、蕁麻疹、頭痛、嘔吐、下痢

ヒスタミン中毒の対処法

ヒスタミン中毒は一般的には6時間以内、遅くとも24時間以内に自然に回復します。体内でヒスタミンが分解されることに加えて、ヒスタミンを排出することで症状が回復していきます。たっぷりと水分を摂り、排尿や嘔吐などで胃の体内のヒスタミンを排出してヒスタミン濃度を下げることが回復への近道です。1日経っても症状の改善がみられない場合は、病院の受診をおすすめしますが、通常の場合は安静にしていれば治ります。

病院での診療科目と治療法
  • 診療科目:皮膚科や内科
  • 治療法:薬の服用(抗ヒスタミン剤)

日本は生魚や魚料理を食べることが多いので、いつアニサキス症やヒスタミン中毒になるかわかりません。特にアニキサス症が疑われる魚を食べて激しい腹痛の症状が出ている場合は危険なので、症状がさらに重篤化する前に、病院への受診が必要になります。